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  • 渡邊 健太郎

記憶のメカニズムに基づいた「定着させる」学習法

最終更新: 2020年2月13日

~難関大・医学部合格のための学習~


こんにちは。学習塾ヘウレーカで数学と化学を指導している、渡邊健太郎です。


今回は、前回の内容に引き続き、「定着させる」学習法についての記事です。

※前回の記事の続きになりますので、読まれていない方は、

「わかる・できる」だけでは合格できない!「知識を定着させる」本物の塾を探せ! ~知らず知らずのうちに時間を浪費している受験勉強~

をご覧頂いてから本記事を読んで頂けると、本記事の理解が深まると思います。



早速、本題に入ります。

「定着させる」勉強法とは、一言でいえば記憶のメカニズムに基づく復習になります。

しかし、実際に上手くいかない生徒は、

・ いつ復習するのが最適なのかが分からない

・ 復習の回数が少なすぎる

・ 復習の回数が多すぎて、新しい内容を学ぶ時間が取れない

などの問題を抱えています。


これらの問題を解決するために、 「定着させる」ための学習法を、具体例を交えてお伝えできればと思います。

例えば、我々が運営しているヘウレーカでの復習の時期は、


(1) 授業直後(Gmap-c

(2) 授業2~4日後(復習ノート)

(3) 授業1週間後(定着確認テスト)

(4) 授業2~3ヶ月後(単元テスト)


としています。また、生徒の記憶力・学習リズムはそれぞれなので、日にちは多少幅を持たせています。

このような期間に設定している理由については、事前知識として、脳の「記憶のメカニズム」を学ぶ必要がありますので、まずはこちらを説明させてください。



記憶の77%は1週間後に忘れられる。

記憶のメカニズムに関する有名な実験結果として、エビングハウスの忘却曲線というものがあります。

この忘却曲線は、意味のない3つのアルファベットの羅列を、被験者にたくさん覚えさせて、その記憶がどれくらいのスピードで忘れていくか、実験したものを示しています。


この実験の要点は

20分後には42%1時間後に56%1日後に74%1週間後に77%が忘れられてしまう

・ 復習を重ねるほど曲線が緩やかになる(忘れにくくなる)

ということです。


私もこの事実を知った時は非常に驚いたのですが、学んだ内容を復習しないと、1日後には26%しか記憶として残っていないのです。

ここで、気を付けて頂きたいのは、この実験が意味のない文字列の記憶を測定したものだということです。


通常、塾が行う授業は意味記憶・エピソード記憶を活用して、非常に意味のある内容になっているので、この曲線とは変わってきます。

そこで、我々が授業・復習サイクルを実践することによる、忘却曲線の変化のイメージ図を以下に示します。


2に変形するためのポイントは2つです。

(A) 記憶に残りやすい授業をすることで曲線を緩やかに(忘れにくく)する

(B) 記憶が抜ける前に復習を実施(上図の赤線の方に持っていく)


(A) については、授業自体の工夫の方法であり、本記事の主題から少しそれてしまうので、簡潔に述べます。

ヘウレーカでは、授業の内容が記憶に残りやすくなるために、エピソード記憶・意味記憶・手続き記憶を活用しています。


記憶のメカニズムに基づいた復習サイクル

次に、(B) に移ります。この、「記憶が抜ける前に復習」が本題です。

冒頭で、ヘウレーカで実施している復習時期の具体例を示しましたが、これは、「記憶が抜ける前に復習」するための時期・サイクルなのです。

2と照らし合わせてみてください。


(1) 授業直後(Gmap-c

(2) 授業24日後(復習ノート)

(3) 授業1週間後(定着確認テスト)

(4) 授業23ヶ月後(単元テスト)


とすることで、学んでから1週間以内に3回復習を行い、記憶の大部分を1週間で形成するようにしています。

一般的に、塾の授業は週に1回行われるので、1週間で記憶を形成しなければならないとも言えます。

当たり前の事を言っているように聞こえるかもしれませんが、「1週間で定着させる」ことが非常に重要であり、結果が出ない生徒が疎かにしがちなポイントになります。


重要である理由についてですが、1年先をイメージすれば簡単に理解できます。

基本的に、授業は前の週に学んだことを踏まえて話が進みます。そのため、1週間で記憶として定着しないまま次の週に突入すると、次の週の内容が理解し切れなくなってしまいます。この状態が、1か月・半年・1年と時間が経過していくと、授業の内容が理解できず、ただ聞くだけの状態になってしまいます。


このような状況にならないために、我々の生徒が具体的に取り組んでいる復習法をお伝えします。

ご自身の復習法とも照らし合わせながら読んでもらい、学習効果を高めて頂ければと思います。


(1) 授業直後

目的:授業で学んだことはその日のうちに頭に入れてから帰る。

具体的方法を以下に示します。

・ 授業直後にノートを見ずにその日学んだ事(公式や問題のポイントなど)の項目出しをする

・ 各項目に対して、他人に説明するつもりで話す

※ヘウレーカでは、生徒が各項目について講師に説明した後に、生徒が理解し切れているのか怪しい部分について、講師が再度質問を投げかけます。


(2) 授業24日後

目的:(3)で行うテストで100%の正答率を出すための復習。

具体的方法は以下の通りです。

・ 授業で間違えた問題を解きなおし、ポイント整理

・ 忘れているところを覚え、他人に説明できる状態にする

※ヘウレーカでは、この際の復習を、「復習ノート」に行います。「復習ノート」は、授業や宿題のノートとは別に作り、間違えた問題だけを解くためのノートになるようにしています。このノートは、受験生になった際に、非常に効果を発揮します。


(3) 授業1週間後

目的:23ヶ月経っても定着している状態にする事。

・ 授業で間違えた問題を何も見ずに演習

※ヘウレーカでは、授業の冒頭30分で、定着確認テストとして実施しています。

※難関大・医学部に合格する生徒は、この時点でほぼ満点を取ります。


(4) 授業23ヶ月後

目的:記憶の定着度合いの確認と復習

・ 単元ごとに間違えた問題を抽出し、間違えた問題を演習

・ 間違えた問題や内容は、その場で解きなおし、復習

※ヘウレーカでは、「単元テスト」という形で、単元ごとにテスト形式で実施しています。

※難関大学・医学部に合格する生徒は、この時点で9割以上の得点率を出します。


復習時期とそのポイントに関して、以上になります。


繰り返しになりますが、記憶の定着は学んでから1週間が勝負であり、1週間で定着させることが目的になります。

ですから、基本的には1週間に3回の復習を勧めておりますが、記憶力には個人差がありますので、1回で定着する場合には、1回で構いません。しかし、復習の回数を減らす際には、自分の力を過信することがないよう、細心の注意を払ってください。

自分の力量に最適な復習サイクルを発見するためにも、まずは上記のサイクルを実践して頂けると幸いです。


上記の復習サイクルを習慣化し、確実に実行出来れば、おのずと実力はついてきます。

結果として出てくるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、勉強に近道はありませんので、地道に積み重ねていき、本物の学力を身につけましょう。


今回の記事では、記憶のメカニズムに基づいた学習法に関する話をしてきました。これだけでも学習効果は高いですが、難関大学を目指すためには、「学習の質」を高めることが欠かせません。

※受験生が100万人と仮定すると、東大合格者は3000人ですので、東大合格者は0.3%です。難関大合格のためには上位1%に位置付けることが1つの目安になります。


そこで次回は、社会人が当たり前にやっている、「学習の質」をより高める効果的な学習法をお話ししたいと思います。

受験勉強を通して、社会人になってからも通用する学習法を、中高生問わず今のうちから身に着けておきたいものです。


渡邊健太郎

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